古英語とは何か?現代英語との比較などを交えつつ、歴史的な観点から英語という言語を理解することで英語学習ははかどる
この記事では、古英語(Old English)について解説をします。古英語とは、主に5世紀から11世紀にかけてイングランドで使用されていた英語の一形態です。現在の英語という言語の祖先にあたり、ゲルマン語派に属します。古英語は、アンゲル人、サクソン人、ジュート人など、様々なゲルマン民族によってもたらされました。
古英語の特徴
- 発音:古英語の発音は、現代英語とは大きく異なります。特に母音の発音が非常に異なります。
- 文法:古英語は、現代英語と比べて文法が複雑でした。名詞、形容詞、動詞には性(男性、女性、中性)、数(単数、複数)、格(主格、属格、与格、対格)がありました。
- 語彙:古英語の語彙は、現代英語の約半分程度しか共通していません。多くの単語が廃れ、または形を変えました。
古英語の例文と現代英語との比較
古英語の文とその現代英語訳を見てみましょう。
古英語:
Hwæt! Wē Gār-Dena in geārdagum, þeodcyninga, þrym gefrūnon, hū ðā æþelingas ellen fremedon.
現代英語:
Lo! We have heard of the glory of the Spear-Danes in days of yore, of those noble kings, how they did great deeds.
この例は、『ベーオウルフ』という叙事詩の冒頭部分です。古英語では、「Hwæt!」という感嘆詞が使われており、これは「Lo!」や「Listen!」と訳されます。古英語の文法と語彙の違いが顕著です。
古英語のアルファベット
古英語では、ラテンアルファベットに加えて、いくつかの特別な文字が使われていました。
- Þ(thorn):現在の「th」に相当。
- Ð(eth):これも「th」に相当。
- Æ(ash):現代英語の「a」と「e」の中間音。
- Ƿ(wynn):現代英語の「w」に相当。
これらの文字は、現在の英語の文字セットには含まれていません。
古英語から中英語、そして現代英語へ
古英語は、1066年のノルマン・コンクエスト以降、大きな変化を遂げました。ノルマン人による支配の結果、フランス語の影響が強まり、古英語は中英語へと進化しました。中英語の時代(約1100年〜1500年)には、文法が簡略化され、多くのフランス語由来の単語が取り入れられました。
中英語の例文と現代英語の比較を見てみましょう。
中英語:
vbnet
Whan that Aprille with his shoures soote
The droghte of March hath perced to the roote.
現代英語:
vbnet
When April with its sweet showers
Has pierced the drought of March to the root.
これは、ジェフリー・チョーサーの『カンタベリー物語』の冒頭部分です。中英語は、現代英語に比べるとまだ難解ですが、古英語よりも理解しやすいです。
古英語の影響と現代英語への貢献
古英語は、現代英語に多くの影響を与えています。多くの基本的な単語(例:man、woman、child、house、foodなど)は、古英語に由来しています。また、詩的な表現や古風な言い回しにおいても、古英語の影響が見られます。
結論
古英語は、現代英語の形成に大きな役割を果たした言語であり、その理解は英語の歴史と進化を知る上で不可欠です。文法、語彙、発音の違いを通じて、英語がどのように変化し、発展してきたのかを垣間見ることができます。古英語の例文や比較を通じて、その豊かな歴史を感じることができるでしょう。
このブログ記事が、古英語についての理解を深める一助となれば幸いです。古英語の魅力とその重要性を、ぜひ多くの人々に知ってもらいたいと思います。